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SBW2018セミナー「ネット&リアル融合で変わる これからの企業戦略」レポート

2018年11月2日(金) 会場:長野市芸術館(アクトスペース)

インターネットが普及して約20年。私たちの立っている情報環境の現実の姿はどのようなものでしょうか。Webの世界をバーチャル(仮想)という言葉で単純に括ってしまう表現は、近年めっきり少なくなりました。
それもそのはず、Webはそれだけで単独に存在する“別世界”であるはずもなく、例えばWeb上で定義される顧客も実際にはリアルな世界に存在する生身の人間だからです。

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今回のセミナーは、私たちの生活環境やビジネス環境において、インターネットとリアルの関係性をどのようにとらえたらいいのか、それぞれ違う視点を持つ三名のゲスト講師をお招きしてお話を聞きました。

第1部 「マーケティング」
講師:奥谷孝司氏(オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員)
第2部 「イノベーション創出」
講師:小林弘人氏(株式会社インフォバーン 代表取締役)
第3部 「地域戦略」
講師:西谷雷佐氏(株式会社インアウトバウンド仙台・松島 代表取締役)
クロストーク&ネットワーキング
奥谷孝司氏×小林弘人氏×西谷雷佐氏/モデレーター坂田大輔(JBN 常務取締役)

第1部 「マーケティング」

講師:奥谷孝司氏(オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員)

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「買ってくれたお客様とつながるだけではなく、買わなかったお客様の声も聞き、つながる」という奥谷さんの言葉を参加された皆さんはどう受け止めたでしょうか。
売上を最終目的としてきた小売業にはそんな発想はなかったし、そもそもそんな事はできません。

奥谷さんの言うところのオムニチャネルの世界で展開される「チャネルシフト」は、長い間店舗における販売(たとえそれがネットショップであれ)を軸に考え、販売時点のみを注視し、売上を追いかけてきた多くの人にとって、衝撃的ともいえるパラダイムシフトです。

キーワードは「顧客時間」。
顧客はある商品について「検討」から始まり、「購入」を経て「使用」に移る一本の線でつながった時間軸を移動します。
奥谷さんはその時間軸を「顧客時間」と定義し、その時間に寄り添うことの重要性を示しました。
オンラインを主戦場としてきた企業はその顧客時間をすでにビジネスの中心に置いているというのです。

実店舗、カタログ、Webなどのチャネルを顧客はすでにシームレスに動き回っています。オムニチャネルとは新しく出現したチャネルを指すのではなく、すでに存在し現代社会を覆いつくしている事象です。
そうである以上、この日取り上げられた無印良品、オイシックス、アマゾンといった、名の通った企業だけに関係する話ではありません。
東京だから、地方だから、大企業だから、中小企業だからということは関係なく、目の前にあるのは「チャネルを自由に選ぶ権利を持ったお客様がいる」という現実です。

ネットビジネスを販路の一つとして捉えて単に売上を目指す時代はすでに終わっていて、顧客時間を把握し、顧客に寄り添うことを抜きにして企業としてのWeb活用はなしえないことを納得させられた講演でした。
「お客様とつながる」ことを目指したときに、Webの特性は活きてくるし、いわゆるデジタルマーケティングといえどもその例外ではないという事がよく理解できました。

第2部 「イノベーション創出」

講師:小林弘人氏(株式会社インフォバーン 代表取締役)

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「編集者とは空間の司教である」という不思議な言葉で始まった小林さんの講演は、物事に編集的な思考(Editorial Thinking)で取り組むその大切さについて話が及びました。

もうすでに勝ちパターン(テンプレート)となってしまったものに乗っかるのではなく、「多くの人はまだ自分の欲しいものを見ていないし知らない」ということを前提とした組み立てを、小林さんは提唱します。
そのために必要なのが「編集」であるというのです。

事例として唐突に出てきたのが油屋熊八氏!(この人誰?)
この日会場に集まった参加者はもちろん日本中で知っている人はほとんどいないのに、大分県の別府ではよく知られているという熊八氏は、小林さんがいうところの筋金入りの編集者です。
大分県の、主に観光に関わるコトやモノに取り組み、新しい価値を生み出しました。生み出したというより、もともとあったものに編集しなおしたというのが正確でしょうか。

熊八氏の例にとどまらず、世界中の様々な事例をあげながら、誰もが手に入れられるもの要素の構成を変えることで、新たな価値が創りだされるということを小林さんは示しました。これが編集の考え方です。

インターネットが普及し、私たちは情報の洪水の中に生きています。
しかし、そんな中、小林氏のメッセージは「『検索』できないものを探そう」というものです。
まだ誰も定義できていないもの、方程式になっていないものからイノベーションが生まれること、今目の前にあることを編集の視点で見つめ直すことの大切さをこの講演から学ぶことができました。

観察して、引っかかったものを、一般側(方程式)に頼ることなく、言語化し、共感を生み出していく。
「どうやって編集するかで、そのモノが、ブランドになる」という小林さんの言葉が印象的でした。

第3部 「地域戦略」

講師:西谷雷佐氏(株式会社インアウトバウンド仙台・松島 代表取締役)

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4年目を迎えるSBWセミナーの、そうそうたる歴代講師陣の中で最も会場の笑いを取ったのはこの日の西谷さんでしょう。一番手、二番手を受け持ったまじめなお二人の講師をも爆笑させてしまう、その笑いの源泉にあったのはご本人の軽妙な語り口に加え、私たちの観光に対する先入観を次々と破壊していくその内容にありました。

冒頭から参加者に向かって絶妙なクイズを投げかけ、会場に充満している固定概念を木っ端みじんにした上で、「誰も『知っている』事については考えなくなるんですよね」と前置きをし、西谷さんは話し始めました。

冬にリンゴの木の剪定作業を体験するツアー、屋根を取り払った軽トラック(バケと呼ばれるらしい)にりんご畑で乗るツアー、忍者がもてなす観桜会、海岸でただ石を拾うだけのツアーなど、西谷さんが企画し、実行に移し、人気を博した様々なツアーが紹介されました。
それらは緻密に考え抜かれ、巧妙に組み合わせられてはいますが、いわゆる「趣向を凝らした秀逸のアイデア」といった類ではありません。素材となっているのは青森の農村にもともとあったもの、日常にあるものがほとんどなのです。

一見ばかばかしくもあり、また「そんなのどこがおもしろいの?」「そんなことにお金払う人いるの?」「そのために遠くからわざわざ来る人いるの?」といった固定概念をものともしないこれらの企画に、一貫しているのは参加する人の目線に立って、その心情をとらえる姿勢です。
現在の日本の観光PRは「オラの地域ではここがいい」を押し売りしているだけの場合がとても多いというのが西谷さんの感想です。

「観光」とはそもそも何なのか、人がたくさん来ればそれでいいのか、今が良ければそれでいいのか、当地だけ良ければそれでいいのか、様々なことを考えさせられた講演でした。

さて、この日紹介されたツアーの極めつけは、厳冬の竜飛岬で津軽海峡冬景色を歌うTHEデストロイヤーツアー!
あまりにもばかばかしく、無意味に楽しそうなこのツアーに申し込みたくなった当セミナー参加者も多かったに違いありません。

クロストーク&ネットワーキング

奥谷孝司氏×小林弘人氏×西谷雷佐氏/モデレーター坂田大輔(JBN 常務取締役)

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恒例となったセミナー後のネットワーキングは、講師の三人によるクロストークから始まりました。
セミナーそのものは勉強の場とはいえ、講師の皆さんから「今日は楽しかった」という感想をいただいたのは、私たちにとってこれ以上ない“お褒めの言葉”でありました。

全く活動フィールドの違う初対面の三人とは思えない軽快なやりとりは、私たちをどんどんと引き込んでいきます。
コミュニケーションの本質に「共感」が大きく関与しているという考え方や、そのために「体験」の価値を認識することの必要性などは、講師の皆さんに共通したものでした。

小林さんの「視座を高く持つことが大切で、そのためには『まず東京を見る』ことをやめた方がいい」というアドバイスや、奥谷さんの「地方にこそ優れたマーケターがいる」というエールにも勇気づけられました。

西谷さんによると「同業者同士の集まりでは、話の先が見えてしまう」とのことですが、そういった意味では、このネットワーキングは、参加者全員が様々な視点で語り合う格好の夜となりました。

通常、企業の課題設定や施策はその企業内で自己完結的にされるものと思います。
そこで生まれてきた悩みや問題点は内包化されてしまいがちなのでしょうが、ここではそれらを解き放ち、他企業との横のつながりを将来への足場にしていこうというものです。
セミナーのゲスト講師は毎回長野県外からお呼びするので、“外部からの視点”が加味されるという利点もあります。

そして私たちが大切にしているもう一つの要素は「楽しむこと」。この夜も、笑いと笑顔が絶えないハイテンションな交流の中、1日の総括ができたようです。
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※クロストークの様子はSBW Facebookでライブ配信されました。

SBW2018セミナーのネットワーキングです。
もうすぐ講師3名のクロストークが始まります。
お楽しみに。
#SBW2018

SBWさんの投稿 2018年11月2日金曜日

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